パソコンの性能の見方1

高いパソコンほど高性能というのはわかるとしても、何がどう高性能なのかがわからないと選び方がわかりません。
いくら高性能でも必要のない性能は宝の持ち腐れです。

ここではパソコンにあまり詳しくない人向けに、選び方の目安となる各パーツの解説します。

パソコンで主に性能に関係するのは「CPU」「メモリ」「ハードディスク(SSD)」の3つです。
映像関係のソフトを使用する場合はグラフィック機能も重要となります。
パソコンの仕組み

CPU

CPU(シーピーユー)とはパソコンの頭脳のことです。
これが高性能なほど処理が速くなります。

パソコンというのは常に何か計算を行っています。
マウスを動かすのも、文章を入力するのも、パソコン内部では複雑な計算が行われているのです。
速さにかかわるパーツはほかにもあるのですが、CPUの性能が一番重要と言えます。

CPUメーカは「Intel」と「AMD」の二強で、ほとんどのパソコンはこのどちらかのCPUです。
どちらを選んでも性能にそれほど差はありませんし、できない処理というのはありません。

CPU性能の見方

基本的に高いパソコンほどCPUも高性能と言えます。
主に見るのは「CPUの種類」と「クロック周波数」でしょう。

CPUの種類

CPUには様々な種類がありますが、発売が新しいものほど高性能な傾向があります。
またハイエンド用、ミドルレンジ用、ローエンド用と分けられていることが多く、それぞれ価格と性能が大体比例します。

一例をあげると、インテルの現行CPUである「Core iシリーズ」では

  • Core i7:ハイエンド、高速
  • Core i5:ミドルレンジ、中速
  • Core i3、Pentium、Celeron:ローエンド、低速

となります。
便宜上「低速」と書いていますが、一般的な処理では十分すぎるほど速いです。

コア数

最近のCPUはマルチコアと言って、内部的に複数のCPUが同時に処理を実行しています。
コアの数が多いほど処理が速くなります。
現行製品では2コアから4コア、高性能なものだと6コアや8コアがあります。

ちなみにシングルコアは1コア、デュアルコアは2コア、クアッドコアは4コアのことです。
6コアはヘキサコア、8コアはオクタコアですがあんまり言いません。

クロック周波数

CPUが1秒間にどれだけの処理を行うかが示されています。
単位はGHz(ギガヘルツ)で、この数値が大きいほど高速ということになります。

ただしCPUの種類が変わると、クロック周波数が同じでも処理速度は異なります。
先の例では「Core i7」と「Core i3」を比較した場合、同じ周波数でも「Core i7」のほうが高速になります。

数値が増えると高速になる分消費電力があがり、発熱量が大きくなります。
必要ないのに高く高速なものを買うと、消費電力が上がり、夏場は熱く、非経済的です。
もっとも最近のCPUは高速処理が必要ないときは消費電力を下げる機能を持っています。

ハードディスク(HDD)、SSD

ハードディスクはメモリで行った作業を保存しておくための領域で、「引き出し」や「本棚」に例えられます。
作業内容をノートに書き写し、本棚にしまっておくことで次回必要になった時に本棚から取り出すことが出来ます。
メモリは一時記憶なのでパソコンの電源を切ると内容が消去されますが、ハードディスクの内容は消去されません。

ハードディスクの性能で重要なのはハードディスク容量です。
本棚が大きいほどたくさんの情報を保存しておけるので、容量が大きいほど良いということになります。
単位はメモリと同じくGB(ギガバイト)です。

最近のパソコンはどれも大容量で、安い製品でも200GB以上の大容量です。
通常用途ではどの製品でも容量不足で困ることはほとんどないでしょう。
たくさんソフトをインストールしたり大量の動画を保存しておきたい場合などは出来るだけ大きいサイズを選んだ方がいいです。

SSDとは

ハードディスクは正式には「ハードディスクドライブ」なのでHDDと略されます。
最近ではSSDという、ハードディスクの代わりとなる製品があります。

SSDは「ソリッドステートドライブ」の略で、機能的にはハードディスクと同じものです。
両者の主な違いは「速度」と「容量」、それと「価格」です。

高速

SSDはHDDに比べて圧倒的に高速です。
内部的な構造に起因するのですが、とにかく速いです。

最近のパソコンのCPUは十分高速なので、特に重たい処理もしていないのに「パソコンが遅い」という場合、実はCPU速度よりもHDD速度が遅いことが原因であることが多いです。
この低速なHDDをSSDに入れ替えるだけでパソコンが劇的に高速になるということもあります。

容量が少ない

反面、容量が少ないのがネックです。
HDDの場合は1TB(テラバイト。ギガバイトの1000倍)などの超大容量な製品もありますが、SSDだと今の所どれだけ多くても512GB程度が限度です。

割高

価格はHDDよりもかなり割高になります。
同価格の製品を比べた場合、SSDの容量は比べものにならないほど少ないです。

「高速だけど高くて低容量」なのがSSDと言えます。
こう見るとマイナス点が多いように感じるかもしれませんが、マイナス点を補って余りあるほどに高速です。

普通にパソコンを使うだけなら容量が何百GBもあっても使い切ることはめったにないので、無駄に大容量のHDDを選ぶよりもSSDにした方がメリットが大きいと個人的には思います。
最近では価格もどんどん安くなってきています。

大量のデータを保存する予定のある人は、メインをSSDにしてサブに別途HDDを用意するという方法もあります。
SSDにはOSやソフトなどの必要最低限のデータだけを保存しておいて、容量が必要なデータはHDDに保存すれば速度の恩恵を受けることができます。

またSSDが登場してしばらくの間は「HDDに比べてSSDは寿命が短い」と言われていましたが、最近の製品では普通の使い方をしていればHDDと同等かそれ以上の寿命があるとされます。

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